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意見には責任がつきまとう

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停滞してると感じるものを動かしたい、より良くしたい、さらなる進化を求めて。それぞれがそれぞれの立場でできることを行動に移す。これはとてもポジティブなことだと思う。まずは自分のポジションで何ができるのか、何をするべきか。内部の人間の取るべきアクションや意見の仕方と外からのアクション、意志表示は違って当たり前で、今回の大会中止に対する動きも、内側の人間が選手、会員と同じアクションをするだけでは味方のフリ、パフォーマンスで終わってしまう可能性がある。

内部にいる限り、ソフトテニスの会員、選手、現場の声の波を捉えて組織のしかるべき部署へ届けること、そして自らも考察した上で意見を持ち、議論の場を持ちかけ、提案していく、これが大事だと思う。思うし、実際に色々な部署が意見をまとめて提案して議論されている。

例えば、私が今回起きている署名活動を、自分の生徒に紹介するとして、やはり選手、会員の選択の自由を奪ってはいけない。私の意見は顔を見て伝えるが、アクションを選ぶ自由を奪ってはいけない。ただ、自分も感情としては賛同していても、じゃあ私も署名しとくね!とはなれない。なぜかと言えば、自分がやれることを探さなければいけないからだ。上で述べたように、自分にできる動きをきちんとしていかなければならない。少なくとも、例えば私で言えば、「履正社スポーツ専門学校教員、高井志保」、または「日本ソフトテニス連盟強化委員、高井志保」でなければならないと思っている。一個人で、もし、署名の5000分の1になっても、責任をおってない分、効力が弱いように感じるからだ。

組織、団体の単位であればさらに効力は上がるかと思う。その意見にかかる責任の大きさが違うからだ。私が一個人、匿名で意見を出すのは容易い。ただ、もし意見に対する責任を問われた際に背負うものの重さ、ある意味のリスクも少ない。けれど、その分効力も少ない。想像してみたとして、自分がある一個人の意見を持っていて、例えば『強化委員会の意見』としてそれを出せるようになるまでには、そこに属するメンバーと意見の擦り合わせ、ひとつの意見として答えを出すまでの議論、意見を出した後の責任、それは大変なものだ。そこで組織、団体としてまとめあげた『意見』の効力はやはり上がる。せっかく動くならば効力がある方がよい。

少なくとも議論まで持っていけるための力が必要だ。今の流れをみると、『数』だけではなく、その一意見にどれだけの責任がつきまとっているか、その力が必要に思う。極端な話、学生なら所属無記名、匿名の意見より、『日本学生ソフトテニス連盟』の意見の方が責任がつきまとう。ただ、それを一意見として出せるまでの過程が労力が半端ではない。だから力もある。
生徒には署名活動を紹介するにしても、まずよく考え、よく勉強し、自分の意見を出して選択し、行動に移す際には責任をしっかり意識するよう、伝えねばならない。そして自分自身、選手や会員の味方のふりをして、実際に自分は傷つかず何も動かないということだけはないようにしたいと思う。直接、意見が言える位置にいるならリスペクトだけは忘れず議論は続けていかねばならない。そして意見した後に起きる何かに、常に自分で責任を取っていかねばならない。


高井志保